20140507
最期の記憶と最初の記憶。
不時着した宇宙船の中に、
宇宙の記憶を詰め込まれた人間が5人乗っていた。
気がついたら機体が真横になっていて、
床には何かの破片が散らばっていた。
宇宙は真っ暗だったけど、地球はなんて明るいんだろう。
破片は、磁力を持っているらしく、一所に固まっていた。
近づいてみると、とてもキラキラして綺麗だった。
(お土産に持って帰ろう)
起き上がろうとしたが、不時着のダメージで
うまく体が動かない。
左半身の感覚がまるで無かった。
なんとか右手で拾ってみると、
七色に輝く化石かなにかだった。
小さな木が入ってる。
胎児とか、
地図とか
セフィロトのようなものとか。
持って出れるだろうか?
*
地下鉄を出ると仕事場に繋がっていて、
落とし物を皆に配っている人がいた。
小さく折り畳んだレシートの裏に直々のメッセージがあり、
「そんなことないですよ、」と
言いかけたところで目が醒めた。
*
夢と現実の境目の窪みには1人の住人が居て、
在るときは
現実の誰かに乗り移っている気がする。
今日食べたアイス美味しかった。
20140409
愚治
間に合ったんじゃなくて、追っかけただけなんだぜ。
羨ましいなんて
思いたくはないけれど
あなたが楽しいなら
いいんだといい聞かせられるようになったさ。
桜が散っても、菜の花が満開になる。
薺(なずな)も長く咲く。
花は押し並べて 永く、 咲くような気もする。
昨夜は、螺旋階段が何本も貫通した高層ビルの建設で
一人一つの階段に名前をつけていい、ということになっていた。
私は水色の階段を地上から18階あたりまで駆け上り、
ポケットの中身を空中にばらまく。
少し離れたところの階段には、忍びの先輩が居て
ちょっとだけ笑ってから、
また上に昇っていった。
結局私は、階段に名前をつけることはしなかった。
代わりに、そこから一番に飛び降りる権利を頂いた。
20120518
(node" 5 ".)
手を伸ばせば届くところに、
桃の花が咲いている。
少し季節外れの、気後れした花たちだ。
彼女はこの街で、ピーターパンのように人気者。
神出鬼没で、屈託なく笑う。
私はその時、街の橋を渡る仕事をしていた。
橋の多い街だ。
いつも霧が綺麗に降りていて、
草木も月も、充分に潤っている。
街のどこかで新しい建築が始まると、
住民たちは すこしだけ生活を離れる。
青い青い光が飛び散り、
憑かれた者には 他界した恋人が見えてしまうのだ。
そうして街には時折 青い建築物が生えていく。
それから、避けるようにして橋が渡される。
水銀のように、凍えるほど熱い蒸気が見えるときもある。
あまり近づかないことだ。
私は、同じ街の、別の家に住んでいる彼女に会うのが好きだった。
何故かは分からないが、仕事の折にも 思い出してしまう。
橋桁は白と黒の板が寄り集まって出来ていて、
見えない場所には切れない糸が、
たくさんたくさん絡まっている。
(鍵盤の数でしか 世界を表せないなんて ナンセンス)
誰かが唄ってる。
(駆け落ちしようぜ どこへでも)
ピアノは解放されたがっていた。
*
文章の母体はこちらhttp://madobe.jp/
よろしくお願いします^^
20120406
who is in THE XXXX ?
目の前に、真っ黒い壁がある
ガラスの破片を握りしめて、光を
集めようとしていた。
同じように、ガラスを握りしめた異国の女の子が
困ったように笑う (きっと私も、同じ顔をしているのだろう)
私たちは黒い壁に、2つの虹を
うつした
何の光も無い 黒い壁だった底は
きっと重い靄だったんだろう
のみこんでしまえよ、息が続くうちに。
20120310
(node" 2 ".)
崖の途中に、プラネタリウムの破片でできた教室が在った。
いつだったか、誰かと星を見た。
クラスのみんなはいつも裸だった。
誰も気にしていなかった。
そこら中に這っている真っ白なホース。
口を握ると水が出るようになっている。
床に灰が溜まっていると
誰でも流せるようになっている。
私たちは
裸であったために
お互いの区別を頻繁に忘れた。
手を伸ばして相手の体に触れることで
自分の体温を知る。
相手は振り向き、
空虚な眼差しから、徐々に焦点が合う。
手を繋いで歩くと
まるで独りで在るような気分になる。
この廊下の先には、
何が待っているんだろう。
灰が在れば手を放し、
白いホースを握る。
そしてなるべく遠くの方へ
灰を流し飛ばす。
*
生まれる前は 二人だった気がする。
母はいつでも還って来なさい、と囁いていた。
“ あなたたち、”と。
親密な冷たい羊水であった。
見上げた先には、
崩れた満月のような心臓が
規則的に脈打っている。
私は、私と手を繋いでいた。
まだ何の感覚も生まれていない子宮の中で、
双子だったという信号だけが頭の中に残っている。
出口が、
ひとつしかないので、
ひとりになろう
と
私が言う。
どちらがどちらかも分からない状態で、
お互いがどちらも相手に吸収されたい。
相手の中に入ろうとする。
とても気持ち悪いものが頭に込み上げて来た。
“ 生まれて初めて、” 私はひどく泣いた。
微笑んでいる。
花嫁の眠りを
(node" 1 ".)
玄関を出ると、風が吹いていた。
ドアを勢い良く開け放つと、
手からドアノブの感触が消えた。
私は谷に張り出したベランダに居た。
今にもこと切れる吊り橋のような、木の骨だけのベランダ。
床の隙間から見える地上は、別の世界のように遠い。
干え上がったナイアガラは、広大なグランドキャニオンのようにどこまでも続く。
水の逃げた空気は、まだ少し湿っていて、高所に居る恐怖心を煽る。
まるで別の生き物みたいな笑いがこみ上げる。
振り返ると、海が朝日に輝いていた。
その上。
廃墟のような海賊船がゆるゆると浮いていて
死刑台の板の上では、
目隠しをした女たちが
笑いながら踊っている。
空間が層を成して類似する。
花の匂い。
キラキラと煩い、ガラスの周波数。
アネモネ。
雪の降る音。
血の煙。
藍色の堕落。
どこまでも続く水の音。
こどう。
*
20120202
20120122
on your mark
久しぶりに人と手をつないだ。
この感覚は何だろう?
とてもおいしい料理を頂いた。
この感覚は何だろう?
冷凍庫に放り込まれる夢を見た。
この感覚は何だろう?
on your mark
get set
G O
この感覚は何だろう?
とてもおいしい料理を頂いた。
この感覚は何だろう?
冷凍庫に放り込まれる夢を見た。
この感覚は何だろう?
on your mark
get set
G O
20120121
20120120
20111028
浄化と解体
泥棒は新月に弱い。
感覚が増幅されて、酒も煙草も必要なくなる。
空気中に浮かんでいる煙や霞だけで
事足りてしまう。
水を飲むことすら億劫なほど。
そんな相棒を部屋に置いて、私は時限爆弾の解体に出掛ける。
他者の水月に潜む爆弾に、興味を持つようになってしまった。
始めは、まるでスノードームのようにスロウな光景で、
肉が散り散りになる感触なんて全く感知できなかった。
*
たくさん話すようになったね。
朝が来ることも、やがては受け容れられるだろう。
*
導かれた墓標には、まだ、他人の名前が記されている。
死は おそらく
生命が満ちた状態の名前であり
今の仕事を全うしなければ、与えられることは無いんじゃなかろうか。
20111019
温かい終わり。
こんな気分は初めてだ。
私はこれから一生、夜を愛していくんだろうと思う。
お店が終わって看板を仕舞に行くと、思いがけない場所に月が出ている。
少し欠けていて、霞に滲んだ光。
あれを盗みたいと泥棒は思う。
夜は宇宙がすぐ隣まで降りて来る時間だ。
暗がりに飛び込めば、星の光までもが姿を現してくれる。
一番暗い時間を越えたら、空が太陽を受け容れ始めて
月も白んで凍り付いてしまう、けれども。
夜は優しい。
こんなことをして夜を身籠って、ずっとそばに居る。
ありのままの夜とともに生きてゆく。
泥棒冥利に尽きる話。
_
20111015
_ F is me.
目を閉じればオレンジの銀河。
地面に花が散らばっている。
雨に落ちた香りも、いいもんだ。
昨夜は久しぶりに“ f ”を起こしに地下室へ
一番奥の暗い暗い部屋に、彼は居る
冷たい部屋の真ん中で
地上の春を祝い続けていた
わたしが“ f ”に還る日
愚か者の祝杯を交わした
約束は守る
わたしは君を幸せにする
遠くから。
_
20110723
20110310
排出の純度
排出の純度を高めることによって、
空白に流れ込んでくるものの純度も高くなることに気づいた。
忙しさに感けて呼吸を怠っていると
雑多なあれこれが溜まってしまう。
電気を消して
自分を自身から排出しよう。
ゆっくり丁寧に、ゼロになる。
その宵の夢は
鮮明なイメージの可塑卵のようなものだった。
カメラのピントは交点を過ぎると像がぶれていくが
精神の抽象作業は交点を過ぎてもどんどん絞ることを進めていける(はずだ)。
*
私は土の中に居た。
土の中で眠っていた。
地上がどうなっているか分からないけれど、
地面に口をつけて、
語ってくるものが居た。
“排出の純度を高めることによって、
空白に流れ込んでくるものの純度も高くなることに気づいたんだ”
私は目を閉じた。
そして世界を見つめ直すことにした。
20110212
20110209
Dream Record
ただ描き溜めるために歩き回る。
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草がぼうぼうの団地の最上階で、
私は無造作に積み重ねられたプランターをただ呆然と
眺めていた、昼間の終わりの頃。
恋人がいたの、と、くだを巻くボンドガール。
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意味を教えて
意味を教えて
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草がぼうぼうの団地の最上階で、
私は無造作に積み重ねられたプランターをただ呆然と
眺めていた、昼間の終わりの頃。
恋人がいたの、と、くだを巻くボンドガール。
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意味を教えて
意味を教えて
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