20140404

些事加減


白い砂浜が、目の前にどこまでも続いている。

真っ青な空を上に讃えた砂浜は、なんて綺麗なんだろう。

地平線て、

見えなくなる最後の土地のことだって認識してたけど

ここには終わりがない。



この後に忘れ去る夢のような、朧げな感じの声が

頭の後ろから語りかける。

「ちょっと用事をすませてくるから、この辺で待っててね」

それが男の声なのか、女の声なのかわからない。

母のこえなのか、父の声なのかもしれなかった。

小さな自分は、手に赤い風船を持たされて、

「これを持っていれば、どんなに遠くまで行っててもいいよ」

と肩を優しく押された。



それから、どれほどの時間が経ったのだろう。


気まぐれに後ろを振り返っても、

やっぱり白い砂浜しかなかった。


私の右手から、綿の糸で 赤い風船だけが浮かんでいる。




もう、手を放してしまおうか。


ここはもう充分遠い。




見つけてくれるって、


一体誰を待っていたんだろう。




もう、手を放してしまおう。










美しい砂浜を 力を込めて走り出す。

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