20120907
観察と初見演奏
私たちはたくさんの密事を見た。
(私たちが行わなかった密事を、だ。)
私は舞台裏が好きだ。
*
昔、母が好んで読んでいた詩の雑誌の、とりわけ母が気に入っていた部分がある。
冒頭の挨拶文を締めくくる、「 ところで、あなたは・・・」。
何も喋らない書物にマイクを向けられる。
*
今日まで高橋由房さんの展示でした。
正確には昨日までだったのですが、搬入から搬出までがパフォーマンスめいていたため、
会期の前日から会期の次日まで
おそらく高橋さんのHPやパフォーマンスを見たことがある人なら
誰もが思っていた(希望)であろう “謎が解けるかも知れない”
という淡い期待は 果たして力なく(しかし気持ちよく)破られた。
破られた、というより
何か 柔らかいテープのようなもので裏打ちされた。
私たちが高橋さんの写真を覗き込んでいるうちに、
後ろのほうで その作業が成されていたのだ。
*
不思議の国のアリスに出て来る、夜道を掃いて消してしまう動物。
何食わぬ顔をして さも当然の仕事をするように消していく。
*
同居人が
街灯の下で鍵を探す人間 の 話をしてくれた。
その人間は 本当は別の場所で鍵を落としたけれど、
暗いから探さないのだそうだ。
*
分からないものを分からないままに 隣に置いておく技術
言い換えれば、隣に置いておける謎を持っておける技術
そんなことを ぼんやり考えていた。
第1回写真展 直感と街角 / Photo Exhibition #1 Street Intuition
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/nakpte/ongaku/photo.html
私がこのHP内で一番好きな項は
あなたの頭の中のコンサート
*
私は舞台裏が好きだ。
ただそれは、分かち合う誰かが (どこかに)居るからだ。
20120901
n a t s u
この夏、とても素敵な体験をした。
新しい生活。
新しい何か。
いつも
流れ星のように
どこかへ行ってしまいそうだった彼女が
もう少し ここに居てくれるような予感がして。
変な話だけど、
。
誰に話しても 分かってもらえなかったかもしれない良さ を
今度は自分で
自分だけのものにする決心がついた。
20120820
n no hakobune ,
ずっと碇のようなものを引きずっていた
そのことに気づいたのは
碇を手放した時より
だいぶ月日が経っていた
どうしてだろう、
いつも新しい風を わたしのところに運んでくれたのは
彼女のほうだった。
*
突然 一番奥の歯が抜けて
みんなの驚きをよそに ひとりで笑っている
そんな夢を見たのは
自分の言語伝達能力の低さを恥じている夜だった。
20120818
伝える努力をしなければ、
熱帯夜ですね。
先日、久々に実家に帰りました。
「親孝行しといでよ」という 隣で眠る人からの言葉を抱えたまま、
実家での始終、親孝行って何だろう? と考えていました。
一緒にビールを飲み、食事をしてワインを飲む間も、
その問いが離れないまま。
近況を話している母が、はらはらと泣き出したのは
お酒のせいではなく、私が無口なのも
お酒のせいではなく。
母が話していたのは 過去に放送された「クローズアップ現代」の一部分と
重ね合わせた 今 の話。
“伝えあう努力を”
できることが、唯一の希望。
伝わらない のではなく、
伝える努力 を しない人間がいることに、
母は 深く胸を痛めていた。
*
その次の日、
保田さんの作品を見に行った。
初めて見る保田さんの作品は、
細胞の痙攣がスローモーションで描かれているようで
「伝達」を試みる平面作品が 冷たい熱を帯びて
空間に鎮座していた。
母も、保田さんも、私も 女子美術大学で学び、
三者三様の人生を過ごしている。
ただ「伝える」ということをキーワードに、
私の中で何かが繋がっているような気がした。
*
同じ日の夜、保田さんがお店に ふらっと寄ってくださって
その日の締めくくりに 同じ芋焼酎をロックで飲みながら、
ステートメントの話や、 その周辺の話を聴いた。
美術をやっていく上で、たくさん闘ってきた と話してくれた保田さん。
闘うために、いろいろな武器(弁論)を身につけてきた。
でも、そもそも 闘う場所が、相手が違うのではないか と 思えたの^^
その笑顔を見た時に、私は何か 出口めいたものを 見た気がした。
偶然にも、終戦記念日だった。
Harajyuku&Ginza Tomomi HODA solo exhibition
-De Sign from xxx-
19日まで。
http://hodatomomi.exblog.jp/
20120720
“ 僕はそれを知らない ”
通奏低音の中、穏やかな日々が続いている。
日々というより、空気の流れが穏やかなのだと思う。
上田さんの個展は、前回を経て、「次回も誘ってください」という方が多かった。
それは、実際の作品を前にしたら頷いてしまう“自然な空気感”を、
受け取っているからではないだろうか。
水のように、植物のように、
「在って自然」、視界の片隅にいつも在る、
蛇口を捻れば、またはコンビニでも・・・都会に住んでいると こんな感じだ。
上田さんは、日々どんなことを思っているのだろう。
どんな心構えで 生活をしているのだろう。
*
初日は、ひょんなことから「依存」の話になった。
bemstarの展示の初日は、いつも
新しい風が降りてくるのを注意深く見つめるように心掛けている。
それが今回は、多分音楽だった気がする。
あらかじめBGMが用意されている展示があったり、
今回のように (本当はあるけど)無かったり。
でも、上田さんの作品や キャプションをじっと視ていると、
聞こえてくる気がしていたような。
(肉には肉の、野菜には野菜の消化酵素が体の中に備わっているのと
少し似ている)
いくつかの作品のすぐそばに、
詩が ある。
それは いつか唄われたらいいな と思うものばかりで
遠くで上田さんがギターを弾いていると、
耳を傾けたくなる。
それが 唄われているような気がして。
写真:
上田宰大さん個展「WATER AND PLANTS」
■日程:2012_07/15(日)~07/21(土)
■場所:atelier bemstar
■東京都豊島区池袋4-26-11中本ビル001
■OPEN12:00 - 22:30(休・火曜日)
20120518
“ ado SIESTA UK "
“ ado SIESTA UK "
先日の展示にて発表させて頂いた“ ado SIESTA UK "の絵が
素敵なおうちに旅立ちました^^ ありがとうございます。
そして私は 育つ苗を頂き、現在bemstarにて同居しています。
ノドの渇きを“ 手をあてて ”確かめるという
留意点が気に入っています。
先日の展示にて発表させて頂いた“ ado SIESTA UK "の絵が
素敵なおうちに旅立ちました^^ ありがとうございます。
そして私は 育つ苗を頂き、現在bemstarにて同居しています。
ノドの渇きを“ 手をあてて ”確かめるという
留意点が気に入っています。
(node" 5 ".)
手を伸ばせば届くところに、
桃の花が咲いている。
少し季節外れの、気後れした花たちだ。
彼女はこの街で、ピーターパンのように人気者。
神出鬼没で、屈託なく笑う。
私はその時、街の橋を渡る仕事をしていた。
橋の多い街だ。
いつも霧が綺麗に降りていて、
草木も月も、充分に潤っている。
街のどこかで新しい建築が始まると、
住民たちは すこしだけ生活を離れる。
青い青い光が飛び散り、
憑かれた者には 他界した恋人が見えてしまうのだ。
そうして街には時折 青い建築物が生えていく。
それから、避けるようにして橋が渡される。
水銀のように、凍えるほど熱い蒸気が見えるときもある。
あまり近づかないことだ。
私は、同じ街の、別の家に住んでいる彼女に会うのが好きだった。
何故かは分からないが、仕事の折にも 思い出してしまう。
橋桁は白と黒の板が寄り集まって出来ていて、
見えない場所には切れない糸が、
たくさんたくさん絡まっている。
(鍵盤の数でしか 世界を表せないなんて ナンセンス)
誰かが唄ってる。
(駆け落ちしようぜ どこへでも)
ピアノは解放されたがっていた。
*
文章の母体はこちらhttp://madobe.jp/
よろしくお願いします^^
20120406
I hope your night will warm.
真っ昼間から夜の曲を流して、 今年最大の満月のお祝い。
体はすごく軽いのに、ノドから始まる内臓が圧倒的な重力を感じていて、
お酒も効くし、なんとお得な気分です。
今週は ado SIESTA UKという名義で、ベムスターのこまぎれギャラリーに参加しています。
4月1日始まり、ということを楽しみました。笑
同じ期間に出展しているのは、大塚美術学院から4名、
こまぎれ常連のアルジさん、
愛亀に子どもが出来たことを寿ぐウータンさん、
ワガママを言って持って来て頂いたシバミノルさん。
それぞれのドラマを多方面から聞いている今日この頃。
*
ところで “ ado SIESTA UK " というのは、
実は、展示を一緒に考えて頂いた人の名前のアナグラムなのですが、
“ 休息を騒ぎ回る連合王国 "って、いいと思いませんか。笑
who is in THE XXXX ?
目の前に、真っ黒い壁がある
ガラスの破片を握りしめて、光を
集めようとしていた。
同じように、ガラスを握りしめた異国の女の子が
困ったように笑う (きっと私も、同じ顔をしているのだろう)
私たちは黒い壁に、2つの虹を
うつした
何の光も無い 黒い壁だった底は
きっと重い靄だったんだろう
のみこんでしまえよ、息が続くうちに。
20120310
(node" 2 ".)
崖の途中に、プラネタリウムの破片でできた教室が在った。
いつだったか、誰かと星を見た。
クラスのみんなはいつも裸だった。
誰も気にしていなかった。
そこら中に這っている真っ白なホース。
口を握ると水が出るようになっている。
床に灰が溜まっていると
誰でも流せるようになっている。
私たちは
裸であったために
お互いの区別を頻繁に忘れた。
手を伸ばして相手の体に触れることで
自分の体温を知る。
相手は振り向き、
空虚な眼差しから、徐々に焦点が合う。
手を繋いで歩くと
まるで独りで在るような気分になる。
この廊下の先には、
何が待っているんだろう。
灰が在れば手を放し、
白いホースを握る。
そしてなるべく遠くの方へ
灰を流し飛ばす。
*
生まれる前は 二人だった気がする。
母はいつでも還って来なさい、と囁いていた。
“ あなたたち、”と。
親密な冷たい羊水であった。
見上げた先には、
崩れた満月のような心臓が
規則的に脈打っている。
私は、私と手を繋いでいた。
まだ何の感覚も生まれていない子宮の中で、
双子だったという信号だけが頭の中に残っている。
出口が、
ひとつしかないので、
ひとりになろう
と
私が言う。
どちらがどちらかも分からない状態で、
お互いがどちらも相手に吸収されたい。
相手の中に入ろうとする。
とても気持ち悪いものが頭に込み上げて来た。
“ 生まれて初めて、” 私はひどく泣いた。
微笑んでいる。
花嫁の眠りを
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